筆者は、SBIソーシャルレンディングに数百万円の出資をしており、この記事には正直焦りました。
2021年7月8日 SBIソーシャルレンディングから出資者に対して償還決定メールが届き、ホッとしたところで、
この記事では、出資者(じゃなくても?)が気になる償還に関する3つのことを簡単徹底解説します。
償還時期
- 2021年7月29日15時までに契約書を確認すれば、2021年8月2日に償還
- 契約書を確認せずとも2021年8月18日までに異議が無い場合は、2021年8月20日に償還
- 異議がある場合は、償還されない(別途、カスタマーセンターへ連絡)
異議が無くはないのですが、リスクを承知での投資ですし、ゴネても償還額が増える訳でもなし…
遅れることで資金効率がさらに悪くなるので、「1」を選択することをおすすめします。
当社は、対象ファンドの未償還元本相当額の償還に向けた取り組みとして、お客様にご確認いただいた「確認書兼同意書」をもって当局に対する事故確認の申請を行ってまいりました。この度、事故確認の手続きが完了し、対象ファンドの未償還元本相当額を2021年8月2日付で償還することとなりました。
引用元:SBIソーシャルレンディング
以下の対象ファンドについて、お客様との匿名組合契約は本償還をもって合意解約とさせていただきますので、2021年7月29日15時までにご確認ください。
上記期日までにご確認が無く、2021年8月18日までに異議無い場合には、2021年8月20日に未償還元本相当額を償還し、本償還をもって合意解約とさせていただきます。なお、異議ある場合には償還を行いませんので、当社カスタマーセンターにご連絡ください。
償還金額
「な~んだ!未償還元本相当額が返金されるなら影響ないじゃん!」と思ったら大間違い!
問題は、未償還元本相当額の考え方です。
同社から出資者向けに発行された「確認書兼同意書」によると、「(当初出資金)ー(返金済出資金)ー(過去の配当済み金)=(未償還元本相当額)」とすると記載されています。「ー(返金済出資金)」の部分は当然の想定範囲ですが、想定外だったのは「ー(過去に配当済み金)」の部分。
今回の(未償還元本相当額)=(当初出資金)ー(返金済出資金)ー(過去の配当済み金)
そもそもSBIソーシャルレンディングとは、簡単に言うと、投資者が出資金を出して、資金需要者に貸し付け、出資者は配当金として2.5~10%の配当金を毎月受け取るという仕組みです。もちろん、「出資」なので資金需要者の事業が失敗したら、配当金および出資金がゼロになるリスクもあります。また、資金需要者は事業の途中で資金に余裕が出たら、出資金の一部を早期返金(返金済出資金)されることもあります。
例として、(当初出資金)100万円を出して利回り10%で毎月8,333円=(当初出資金)100万×利回り10%÷12ヵ月の配当金を12ヵ月分受け取っていたとします。(税金等細かい部分は全て除外)
(未償還元本相当額)という表現だったので、筆者はてっきり(当初出資金)100万円の内、(返金済出資金)(筆者の場合これは0円)を除いた額の100万円全額返金されると思っていましたが、実は(当初出資金)100万円 ー(返金済出資金)0円 ー(過去の配当済み金)10万円 =(未償還元本相当額)90万円ということでした😢
要は、結果的に「100万円を1年間タンス預金していたのと同じになってしまった😢」ということです。
「出資金がゼロにならなかっただけよかった」という考え方もありますが、SBIグループというネームバリューを信じて出資したこともあり、ここまで杜撰な状態になっているとは想像もつきませんでした。
たらればを言ってもしょうがないですが、2019~2020年は米国S&P、GAFAM、テスラetcが爆騰していたので、もしその資金を使えていたらと思うと悔やまれます。
元本償還金の税務処理
2.本件未償還元本相当額の償還に伴う投資家の皆様における税務処理
本件事故に対する損失補填に伴い、投資家の皆様に対し、匿名組合出資の元本相当額から分配済の匿名組合利益相当額を差し引いた金額(以下「本件未償還元本相当額」といいます。)の償還が営業者より行われます。本件未償還元本相当額の償還及びこれに伴う匿名組合契約の終了により、匿名組合出資額と本件未償還元本相当額との差額相当が、投資家の皆様の匿名組合損失の金額(匿名組合出資に係る資産損失)として確定することとなります。本件未償還元本相当額の償還額については、その他雑所得の計算上、総収入金額に算入する必要はありませんが、この匿名組合損失の金額は、上記1.(2)に記載の通り、その他雑所得の計算上必要経費に算入されます。ただし、匿名組合損失の金額のうち必要経費に算入される金額は、この損失を含めないで計算した雑所得の金額(公的年金等に係る雑所得を含みます。)を限度とされます。※雑所得の金額の中で控除しきれなかった金額については、その年における給与所得、不動産所得の金額等との損益通算や翌年以降への損失の繰り越しを行うことはできませんのでご留意ください。
引用元:SBIソーシャルレンディング
要するに、下記と理解しました(間違っていても、筆者にクレームは受け付けません!)↓
- 今回の償還される(未償還元本相当額)は、雑所得(利益=税金がかかる)ではない(そりゃそうでしょ!)
- (当初出資金)ー(未償還元本相当額)=(投資損失額)=(雑所得の必要経費)として計上できる
- 2021年に雑所得があれば、項2(雑所得の必要経費)を税金の対象額から差し引ける
- 給与所得、不動産所得の金額等との損益通算はできない
税金に詳しくないと「なんのこっちゃ?」となりますが、超簡単に言うと「2021年の雑所得がある人は、今回損した分の税金は払わなくていいよ!」ということです。
雑所得が無い方は全く意味がありません。
細かい税金の計算は、下記を参照してください。
※もちろん、サラリーマンの方は確定申告が必要です。
本件を受けて、恐らくソーシャルレンディングはオワコン(この言葉を使ってみたかった)になるでしょうね。筆者も過去に利用したことがある、真面目にやっているソーシャルレンディング事業者が不憫でなりません。
筆者としては、出資金が償還されただけよかったですし、よい経験になりました!
「リスクのないところにリターンはない!」「投資は自己責任で!」
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